コツコツケンコー科学Blog

はじめまして、こんにちは、理学療法士のコツケンです!当Blogをお目に止めていただきありがとうございます。このBlogでは医学書読書や論文を読むことが趣味な私が、「あっ、、これは知って損なし。。。」と思ったダイエットや、筋トレなどの健康に関することを解説しています。

【やっちゃいけないダイエット】無茶な食事制限でおこる体への弊害とは

 

f:id:rih-to-shumi:20200722230433p:image

 

こんにちは、コツケンです。

 

数あるブログの中から、

当ブログを拝見して頂きありがとうございます!

 

今日は若い女性がやってしまいがちな、

無茶な食事制限でおこる体への弊害について解説していきます。

 

無茶な食事制限によるダイエット

これは人生にすら関わる話であると思いますので、

これからダイエットしようと思っている方は

始めるまえに見て頂きたいと思います!

 

 

 


以前のツイート


はじめに、僕のツイートを紹介します。

 

 

無茶な食事制限による短期的なダイエットは

結論から言いますと

 

命を削ります

 

本当に恐ろしいもので、

僕の知り合いにもムリな食事制限で

本当に体も心も壊してしまった女の子もいます。

高校生の時にはものすごい明るかった子でしたが

久しぶりに同窓会であったときにはやせ細ってしまっていて

明るさすら見る影もないぐらい別人になってしまっていました。

 

そのようなことを目の当たりにしていますし、

実際社会問題になっている背景もありますので、

少しでもそうなってしまう方が減ったらいいなと思っています。

 


このムリな食事制限って一体どんなものなのか

そしてそれにより起こる弊害を踏まえた上で

健康的なダイエットに必要なことについて解説していきます。

 


ムリな食事制限

これは、単純な話ですが、

ただただ、絶食まがいのことをしてしまうことです。


それにより、たしかに体重は間違いなく落ちると思います。

体重計を見て、「〇〇kg落ちてる!!」と歓喜

それにより、「やっぱり食べなければ痩せるんだ!!」

と、誤った成功体験を得てしまい、また絶食まがいの食事制限を繰り返す。

 

このような悪循環を呈します。


もし、その経過をたどった人の体重計ではなく、

体組成計を見たとしたら、

十中八九、体脂肪量の減少率よりも、

筋肉の減少率のほうが大きくなっていると考えられます。

 

なぜ筋肉が減るか


なぜそんな事になってしまうかというと、

絶食状態になると、ご飯を食べて体に取り入れるエネルギー(供給)は

体が必要とするエネルギー(需要)を圧倒的に下回ってしまいます。

これがいわゆる飢餓状態です。

 


それでも人間はある程度動くことが出来ます。


これはなぜかというと、人間というのは万が一飢餓状態になっても、

動けなくなってしまわないようそれまでに摂取したエネルギーの余った分を

脂肪であったり、筋肉に貯めているからです。

 

脂肪には脂質や糖質が

筋肉にはたんぱく質が主に貯蔵されています。

 


飢餓状態になると、需要に対し大きく下回ってしまった供給を補うために

脂肪や筋肉に貯めているエネルギーを切り崩して使うようになります。

 


ですが、脂肪というのは主に、運動により分解が亢進されて、

エネルギーに変換される特性がありますが、

飢餓の人は疲れやすさや体力の減少が生じるので、体を動かすことによるエネルギーの使用は減ります。

そのため脂肪の減りはもちろん0ではありませんが、やや少ないです。


ですが、体の組織の作り変えというのは基本的に止まることはありません。

そして体の組織の作り変えの材料となる栄養素は何かというと


たんぱく質です。

 

先程、たんぱく質の主な貯蔵庫は筋肉であるといいました。


そのため、絶食による飢餓では筋肉の分解が脂肪の分解よりも多く起きやすいです。

 

もし絶食した人の体組成計を見たら


もし、絶食により数kg一気に痩せた人の体重計ではなく、体組成計を見たとすると、

確実に筋肉量の減っている量が、体脂肪の減っている量を上回っているはずです。


結果的に、体重が減っているからいいんじゃないかと思うかもしれませんが、

筋肉が減ることというのは長期的に見て様々な悪影響を生みます。

 

 

無茶な食事制限の弊害

この弊害というのは、大きく

・需要に対し供給が下回ってしまうことでおこる弊害

・空腹感や慢性的な栄養不足に伴う精神的ストレスにより起こる弊害

この2つに分けられるかと思います。

それぞれの中にもいくつか、代表的な弊害がありますので以下にそれぞれを解説していきます。

需要に対し供給が下回ってしまうことでおこる弊害

筋肉が減少し痩せにくい体になる

筋肉というのは、基礎代謝の約20%を占めるとされています。

その筋肉が減少するということは、基礎代謝が低下するということに直結します。

 

そして筋肉いうのは一度減ると、しっかりと運動しなければ簡単には元通りにはなりません。

そのため、無茶な食事制限で痩せてしまったあと、リバウンドして体重が増えるというのは

筋肉が増えたのではなく、体脂肪が元々よりも増えたということを意味します。

 

リバウンドしてしまった後に、もう一度痩せようとしても、筋肉が以前よりも少なくなっているので、痩せるのにかかる時間が前より痩せるのに2~3倍程かかるようになるとされています。

 

やつれて髪や肌をいためる、貧血や骨粗鬆症になりやすくなる

たんぱく質は上でも述べたように体の様々な組織の材料になる栄養素です。

その様々な組織の中に髪の毛や肌、貧血に関わる赤血球、骨も該当します。

そのため、無茶な食事制限によりたんぱく質が不足してしまうことで、

これらの弊害も起きてきます。

 

最近では無茶な食事制限により、かなり若くして骨粗鬆症を発症する女性が

増えてきているということで問題になっています。

骨粗鬆症というのはこうなるともはやおばあちゃんだけの病気ではありません。

 

風邪などを引きやすくなる

白血球などを始めとする、細菌と戦う役目をもつ免疫細胞も

たんぱく質をもとに出来ています。

そのため、免疫力の低下を引き起こし、風邪だけではなく

様々な感染症にかかりやすくなってしまうことが考えられます。

 

女性は生理不順や、無月経不妊症になることもある

体脂肪率が20~25%以下、もしくは15%以下の女性で生じやすいとされています。

これに関してはホルモンバランスの乱れが原因で生じるのではないかとされています。

 

理由としては、納得の行くものでして、

痩せ過ぎている状態、栄養の足りていない状態でもし子供が出来てしまうと

母子ともに危険な状態になってしまう可能性があるために、

それを防ぐために生じるのではないかとされています。

 

空腹感や慢性的な栄養不足に伴う精神的ストレスにより起こる弊害

これに関しては

・ストレスから過食になりやすい

・過食、拒食を繰り返すこともある

・意欲が減退し活動力が低下する。

・失敗から自己嫌悪におちいりやすい

 などが起きやすいとされています。

 

全般的にみてうつ状態の症状とかなり類似しています。

 

無茶な食事制限をしてしまうことでうつ症状が行き起こされるのか、

それともうつ症状があるから、無茶な食事制限をしてしまうのか

 

これに関しては明確な因果関係は示されていません。

 

おそらくどちらも相互に影響し合い、

悪循環となっている可能性があるかと思います。

 

 

やっぱり無茶な食事制限は…

いいことなんて一つもありません。

悪いことは言いませんので、短期的に痩せたいから、ご飯を食べない

という思考は一旦捨てて、健康に痩せるためにはどうすればいいのか。

これを考えてダイエットに楽しく望んでいただきたいです。

 

ダイエットの適切な最終目標は

 

体重というのは

模試の点数でいうと、合計点数です。

合計点だけ見ても、どの教科の点数は良くて、

どれが悪いのかわからないので、点数をあげようと思っても

どれを勉強していいかわからないですよね。

 

やはり、度々言っていますが、体重を落とすこと。

これをメインの目標にしてしまうのは危険です。

 

 

 このツイートにあるように、

体組成計に乗り、体脂肪量や骨格筋量が標準に比べてどうなっているかを確認したうえで、基準とする数値を設定するのが良いと思います。

 

推奨されている食事法

流行っている食事法、たくさんありますよね。

ケトジェニック、ロカボ、地中海食、DASH…

 

結論から言いますと、

どれでもしっかりと効果は得られるので、

色々やってみて楽しく続けられるものが良いかと思います。

 

といいますのも

 

たくさんの研究結果をまとめた論文

ステマティック・レビューという根拠の度合いで言ったら最も高い論文の中で

 

14種類の食事法を比較したところ

大体のダイエット食事法で減量が成功したとしています。

ただ気をつけていただきたいのは、この食事法の中に、ただただ量を減らすというものは入っておりません。

全て、食べるものの質(たんぱく質を増やす、炭水化物をへらす 等)をコントロールした食事法になっています。

 

しかし、その食事法をやめて1年後には、ほとんどの人で体重がもとに戻っていたと、結論付けられています。

 

 

そのことから、どんな方法どれだけいい方法でも、続けられなければ元通りになってしまうと言うことです。

 

継続して続けられること。これが最重要です。

 

 

強いてあげるのであれば、原則として

たんぱく質で低糖質

これが最近のトレンドです。

 

たんぱく質と糖質のカロリー数の比率としては

たんぱく質 5:1 糖質

 

このぐらいがいいといくつかの研究で示されています。

 

推定エネルギー摂取量の計算式が日本医師会のHPにて掲載されているので

それを参考に

5:1の割合がカロリー数で言ったらどのぐらいなのか、計算してみると

よりシステマチックに数値が出るかと思います!

www.med.or.jp

 

ダイエットは一日にしてならず

健康的にダイエットをしたいのであれば、やはり

1日にしてならず。急がば回れの精神が大事だと思います。

栄養・運動

この2本柱を軸としく健康的にダイエットが出来るよう楽しんでやっていきましょう!

 

まとめ

無茶な食事制限で痩せること、これはあなたの体にものすごく

悪い影響をもたらします。

健康的に痩せるためには、ただただ食べる量をへらすのではなく。

食べるものの質をコントロールして、かつ運動を合わせて行っていく。

そして体脂肪を落として、筋肉量は維持していく。

この観点が非常に重要です。

 

少しでも、危険なダイエット法を選択する人が減ることを祈っています。

 

それでは、コツケンでした!